谷山弁護士のブログ

谷山法律事務所 弁護士 谷山哲也 横浜市中区不老町1-1-5横浜東芝ビル4階 電話045-212-9690

民事再生

1 民事再生とは何か

新聞でも「A社が民事再生申立!」などという記事を良く見かけるようになりました。民事再生は、百貨店の「そごう」のような大企業から中小企業や個人まで広く利用されています。

破産が会社を清算する(簡単に言うと、会社を潰すことです)手続であるのに対し、民事再生は民事再生法を利用することによって会社を再建する手続です。

2 民事再生を利用する際の注意点

民事再生手続では債権者は平等に扱うことが原則となっているので、一部の債権者(たとえば、懇意にしている取引先やお金を貸してくれた友人など)にだけ返済することは禁止されています。また、民事再生を申し立てるに際に、会社の財産を隠したり、帳簿・書類を隠したり、偽造したりすると、場合によっては、刑事罰(懲役刑や罰金刑)を受けることがあるので、注意が必要です。

この他にも民事再生手続を利用する際には、様々な法律上の規制がありますので、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

3 民事再生の手続・メリット

民事再生を利用するには、民事再生手続開始の申立てを裁判所にすることになります。裁判所から再生手続開始の決定が出ても、会社は業務遂行権と財産の管理処分権を失いません。すなわち、今までと同じように事業を継続することができます(一方、破産の場合は、会社を清算することになりますから事業継続は想定されていません。また、財産の管理処分権は破産管財人に移ります)。

民事再生の最も大きなメリットは、負債額をカットしてもらえる点です。これには、債権者の同意が必要になりますが、負債の90%程度をカットしてもらえた例もあります。そして、カット後の残額を原則として10年以内に弁済することになります。

また、民事再生を利用すると手形・小切手の不渡りを回避することができます。不渡りを出したことは取引先や金融機関に知れ渡り、会社に対する信用がなくなりますので、事実上、事業を続けていくことはできなくなります。民事再生の申立と同時に、弁済禁止の仮処分を申し立て、裁判所が発令してくれれば、手形・小切手の決済も法律上禁止されますから、不渡りを合法的に回避することができるのです。

このように、民事再生は事業を継続していくために様々なメリットを提供してくれます。しかし、実際には、申立て前後の債権者への対応、申立てのタイミング(上述のように手形決済日に合わせるなど)、今後の資金繰り計画など専門家の力を借りずに実行することは不可能です。民事再生をお考えの方は弁護士にご相談下さい。